2016年3月2日水曜日

新しい同居人


こんばんは、ひらくりです。

今日、我が新居に新しい同居人がやってきました。
アメリカ生まれでちょっと丸っこい感じの愛嬌があるやつです。



紹介します、ルンバです。





ネットではルンバたんとか呼ばれてたり、けっこう愛されてるタイプの家電ですよね。
ルンバは自動で部屋を掃除してくれるわけだから、それなりに部屋が広くないと意味がないわけで、博士課程の学生だった僕には縁がないかなと思ってたんですけどね。この度PDに昇進したし、前より断然広い部屋に引っ越したことを記念しまして、ルンバを買いました、もとい、飼いました。

佐川急便の人に届けられてやってきたルンバは、箱を開けて真ん中のボタンを押したらすぐに僕の部屋を動き出しました。いきなり好き勝手動き出して、もうそのお茶目さにすぐに感情移入ができました。

引っ越してからまだまともに掃除できてなかったのでけっこう部屋が汚れてたんで、ルンバの力はどんなものかと思いながら見てましたが、全然飽きないんです。
実際どれくらいゴミを吸うか見てみたんですけど、そこまで吸引力は強くないなぁという印象を受けました。でも同じところを何度もくるくるしてくれるからだいたいのゴミは吸われました。これを二、三日に一回くらいやってれば部屋が清潔なまま保たれるのかなと思います。


このルンバの一番のポイントは、そもそも部屋が汚いとルンバが動けなくて全然掃除できないこと。つまりルンバが動けなくなる原因となるような大きな物とかは人間側が片づけておかないといけないわけですね。それがまたいいんですよね。部屋の左半分の片づけをして、片付いたところをルンバに掃除してもらって、その間に僕が右半分を片づけて、終わったらルンバにまたそっちを掃除してもらう。まさに人とロボットとの共同作業です。

人とコンピュータによる協調的な創作について研究している僕は、このルンバとの共同作業みたいなのが大好きで、本当にただの家電とは思えないくらいに気に入りました。
一通り掃除が終わるとルンバ自身にも埃がついてしまうので、今度は雑巾でルンバを丁寧に拭いてあげるんですね。もはやそれはペットをお風呂に入れてあげてるかのような感覚です。

ルンバって割とドジっ子で、玄関の段差みたいなちょっとした段差からガタって落ちたりしちゃうんですね。だからそういうルンバが苦手な場所を掃除してるときは、ついつい飼い主も目が離せなくなって、頑張れって応援しちゃうんですよね。そんな目が離せないくらいだったら吸引力が変わらないダイソンでキューーって掃除しちゃった方が圧倒的に早いんですけど、もはや掃除は二の次で、僕が見たいのはルンバが頑張って苦手な場所を掃除するところなんです。

あとね、玄関マットを掃除するとき、ルンバはいつもマットをめくっちゃって、うまくいかないんですよ。それがね、何度も何度もやってたら、マットをめくらないできちんと掃除できたんです。そのときはまさに100メートル徒競走で息子が一等賞を取ったときのような気分になりました。息子はいないんですけどね。

それから、コード類があるとルンバは勝手に絡まりに行っちゃうんですよ。絡まるとなかなか抜けられなくて、ついつい飼い主が助けてあげちゃうんですよね。それもまたいいです。まだまだ独り立ちできないダメな息子みたいな感じがして趣があるんです。手がかかって、たまに面倒だなと思いながらもなんだかんだ助けてしまうやつ。もはやロボットを超えた大切な存在です。
アイボをすごく大事にしてた飼い主の話とかありますけど、ルンバももはやそういう域に達してるんじゃないかと思います。

僕が一番感動したのは、電池がなくなってきて、吸引力が衰えてきたとき。
ランプを点滅させながらのろのろと電源スタンドに向けて進んでいくんです。疲れたルンバがスタンドにドッキングしたときはもう興奮でした。幼馴染の友達が飼っていた犬が、飼い主の「ハウス!」の指示で檻に走っていったときくらい感激しました。


そんなわけで、時代は変わっていきますね。
自動運転車とか、様々なオートメーション、我々の生活に密接な存在となってきたIoTデバイスなどなど。便利な世の中になりました。
ただただ便利になるだけではやはり人とロボットの間の距離はなかなか縮まらないんじゃないかと思います。人とロボットが歩み寄っていく過渡期のようなものを超えて行ったその先に新たな時代が待っているのです。ルンバはまさにそんな存在だと思いました。
ロボットに対してここまで感情を抱いたことは今までなかったです。今後ルンバがより人間らしくなっていったり、ロボットとしての完成度が高くなっていったとしても、今のルンバを経験してる僕はどんどん馴染んでいけるんじゃないかと思ってます。そういう意味では、自動掃除機が便利だからどうとか、そういう表層的なことじゃなくて、本当に人とロボットのインタラクションを身近に経験するためのいい機会として、ルンバの導入は本当にオススメです。(もちろん僕はiRobotの回し者ではないですよ)


未来が本当に楽しみになってきますよね。