2016年3月2日水曜日

技術の発展と便利な世の中


どうも、こんばんは。
ひらくりっどです。


みなさん、確定申告しましたか?
僕は今年度は学振の給料のみでせっせとやってたので年末調整だけで済みました。
楽だったけど、給料的には辛かったです。27歳で年収240万(諸々込み)って社会的に見ても低い方ですからね。でもお金の心配もなく研究できてただけ恵まれていました。文句はないです。


昨日ルンバの記事を更新しましたけど、技術の進歩によって世の中はどんどん便利になってますよね。
今まで掃除をするのに1時間かけてたとしたら、ルンバによってそれが5分(人間が働く時間)になって、我々人間は55分の自由時間を手に入れられるわけで、その間寝ててもいいし、洗濯してもいいし、仕事してもいいし。

洗濯だって全自動ですよ。(僕的には自動で干すとこまでやってくれる機械が出てくれないかなって思ってるところですけどね。)
空いた時間で洗濯したと思ったら、その洗濯でさえ短時間で終わっちゃうんです。桃太郎のおばあちゃん(?)だったらわざわざ川まで行って、さらに一枚一枚手でごしごし洗ってましたからね。しかも洗剤だってなかったわけでしょ、もう大変ですよ。

つまり我々の生活は便利になったというわけです。
超便利、人々の幸福度はかつてないほど上がったと言えるんでしょうね。
本当にそうでしょうか?

テクノロジーの進歩にはいい面と悪い面があります。
ただ便利になることが圧倒的に正義なわけじゃないです。



その代表例がアナログの温かみみたいなもの。

MP3のデータでデジタルプレーヤから出る音とアナログレコードが回転しながら針から鳴る音は温かみが違いますよね。僕的にはこれが一番わかりやすい例です。
デジタル音声で、アナログで出す音を限りなく再現することはできますし、音場再現なんてしたら人間の耳は聞き分けられないんですけど、でも温かみっていうのは確かにあると僕は思ってます。僕も音の研究者の端くれですが、アナログの温かみは大好きです。

ブルーハーツが歌う「写真には写らない美しさ」とかね、そういうのありますよね。
どんなに不便でも生で見たり生で聞いたりした方が感動することがあるじゃないですか。
観光地をVRセットで再現したって、その場に行くことには勝らないなって(今のところは)思うんですよね。コンテクストの問題もあるんですけどね。


テクノロジーが発展していくことで僕たちは幸せになっているのでしょうか?
かつてないほどに幸せな人生を生きてるんでしょうかね。
便利においしいお店を探して限られた昼休みに食べたり、目的地に行くための乗り換えなんかも最適なルートで行けたり、QoLというか、体験(Experience)は向上してると感じます。
一方で、SNSの中でコミュニケーションを取るのは息苦しい時があるし、LINEの既読がどうのとかすごく面倒だし、インターネットから解放されたいなとか思う時もたまにあります。

特に日本の話ですが、今消費税が8%にまで上がって、消費税がなかった時代には50000円で変えたものが54000円ですよ。こないだ50000円のものを買ったときに4000円も税金払ってるのかって思ってちょっとへこみました。社会保障だってきつきつで、年金なんて本当にもらえるのかって半信半疑ですよね。なんとなくですが、生活は厳しくなっているような印象を受けます。給料は上がらないのに缶ジュースの値段は10円20円と上がっているわけですから。

本当だったら我々はどんどん不幸になっていってたんじゃないかなって思います。
でもテクノロジーがそれをうまいこと補ってくれてるんだと感じてます。例えば、ジュースの値段が上がっても、僕らはネットを使って安く買える店を調べたりできるし、流通させる側は色々と最適化させてジュースを売るのにかかるコストを削減させられるわけです。
テクノロジーがなければ世の中は本当は詰んでたのかもしれないです。
それくらい科学技術って重要な存在なんです。
不幸度が増していってる分、技術による便利さも同時に増していってることで、僕らの生活は変わらず幸福にやってこれてるんだと思います。


ということを考えながら研究者の端くれとして技術の進歩に貢献しようと日々生きてるんですけど、僕はさっき言ったように、アナログの温かみみたいなのを信じてるところもありまして。

データとかURLを送って曲を共有するなんてことよりも、自分で作ったミックスCDを渡して聴いてもらいたいし、通販で物を買うことも多いけど、お店に行って売る人の言葉を聞きながら買い物するのも好きだし、本屋さんでは目当ての本以外の本を手に取ったりしてだらだら眺めてるのが好きだし。アナログへの回帰ってのはアーティストがよくやっているけど、技術者もそういう観点で技術を進歩させるのが温かくていいなって考えてます。
便利さの追求だけじゃない別のベクトルを持って、それを強みにできるような研究者を目指している、という話です。

まぁだからって、温かみがあるからって、満員電車で新聞読めとか言わないし、スマホで新聞とか漫画とか読める方が圧倒的に便利だし、やっぱり技術の進歩は最高なんです。技術が進歩しているに越したことはない。技術の進歩は技術の進歩で、選択をするのは人間なので、選択肢が増えて僕らの生き方の幅が広がるだけなんです。
自分のスタイルを持つのが重要。
そう、それは研究でも一緒。早く僕だけのスタイルを確立したいなぁという話です。
博論で少しはそれに近いことできたかなって思ってるんですけどやっぱりまだまだです。


4月から独立した研究者としてやっていく予定なので、なるべく早く僕のブランドみたいなのを確立したいなぁって思ってるところなんです。
本当は博士課程の間に名刺代わりになる大きな仕事をしたかったんですけどね(';')

世の中に対してだらだらと書いた文章かと思いきや、これは僕自身に対して自分で言い聞かせる文章でした笑
今後も色々悩みながらやっていきます。


おやすみなさい。