2016年6月24日金曜日

Windows / Visual Studio環境へのdlibの導入方法

こんにちは.
今日は画像処理や機械学習,顔認識などの便利かつ高性能な機能を有するライブラリ『dlib』を使って色々試していたので,その導入の方法を備忘録としてまとめておこうと思います.

なぜかWindows環境への導入の仕方に関する記事がほとんどなかったので,せっかくだからブログに載せようと思い至りました.


僕の環境なんですが,Windows 10で,Visual Studio 2012を使っています.
dlibのバージョンは2016年現在で最新のもの(dlib 18.18)を試しました.

以下,手順です.



まずはhttp://dlib.net/からdlibのダウンロード.




zipファイルでダウンロードできるので解凍してください.

続いて,dlibを試用するためには,正しくコンパイルしなければなりません.
そこで,公式ではcmakeを使ってコンパイルすることを推奨しています.
http://dlib.netのHow to compile(http://dlib.net/compile.html)にも記載されているリンク(https://cmake.org/)からcmakeをダウンロードしてきます.(すでにcmakeを持っている人は特に新しいものである必要もないです)



2016年6月現在だとcmakeは3.5.2が最新版です.Source distributionsではなく,Binary distributionsという方からWindows用のZIPをダウンロードしてください.
zipをダウンロードしたら解凍して適当な場所に置いてください.

cmakeを使えばGUIでビルドファイルを作ることができますが,今回はdlibの公式で推奨してる方法にのっとってコマンドプロンプトでcmakeによるコンパイルを行います.
How to compile(http://dlib.net/compile.html)の手順に従っていきます.



コマンドプロンプト(Windowsキーを押して,「cmd」と打つと出てきます.)を使って,上の①~⑤のコマンドを打つだけです.
ただし,上記はcmakeのパスやdlibのパスを省略しているので完全にそのまま打てばいいわけではありません.特に,Visual Studioで64bitのアプリケーションを実装したい場合には,④のコマンドが以下のものになります.



ただし,この④もVisual Studio 2010用のコマンドなので注意.
Visual Studio 2012であれば"Visual Studio 11 2012 Win64",2015であれば"Visual Studio 12 2015 Win64"となります.

以下は実際にコマンドプロンプトで打った①~④のコマンドの様子です.
わかりやすくするために,dlibとcmakeを両方ともデスクトップに置いておきました.



①は,dlibのexamplesフォルダに移動するコマンド(僕の場合はデスクトップ上に置いたdlib-18.18フォルダ内にあります),②はexamplesの中に「build」というcmake用のフォルダを作成するコマンド,③はそのbuildフォルダに移動するコマンドです.
④を実行するとcmakeにおけるconfigure,generateという動作が実行されます.cmakeを実行するには,デスクトップ上のcmakeのパス(ダウンロードしたフォルダのbinフォルダ内にある)を打つ必要があります.

以下のように「Configuring done」,「Generating done」って出てBuild files~~ってなってたらOKです.




最後に⑤のコマンドを打てばOKです.ここでも,cmakeのパスはcmakeを置いた場所にします.
このコマンドの完了には数分かかります.




基本的にはこれでいいんですが,dlibを高速に動かしたい場合には,cmakeでコンパイルを行うときにAVXやSSE4みたいなオプションを選択する必要があります.AVXの方がSSE4よりも高速みたいですが,古いPCだとAVXに対応していない場合もあるそうです.
これらのオプションの指定を行いたい場合は,⑤のコマンドの代わりに,「(cmakeのパス)/cmake-gui.exe .」と打って,GUIを使います.AVXやSSE4の欄にチェックを入れてConfigure -> Generateの順にボタンを押していけばOKです.

cmakeを使うのは以上で終わりで,dlibの導入examplesフォルダ内にあるサンプルファイルを実行します.
ダウンロードしたdlibのフォルダ内の「examples」フォルダの中に「build」というフォルダができています.(さっき作ったやつです.)
その中に,”examples.sln”というファイルができているはずです.これをVisual Studioで開きます.
これを開くと,Examplesとして用意されているほとんどのファイルがプロジェクトとして整理されています.この状態でもうgood to goです.



まずはF7キーでソリューションファイル(.sln)全体のビルドを行います.ちょっと待ちます.
これでいよいよサンプルプログラムが実行できます.

まずは試してみたいプログラムを選んでください.
一つにきめたら,そのプロジェクトのみを実行できるようにします.



ソリューショネクスプローラーの一番上の「ソリューション’examples’(85プロジェクト or 86プロジェクト)」を右クリックして,プロパティを選択してください.



「シングル スタートアップ プロジェクト」という項目から,実行したいプロジェクトを選んでください.
これでもうサンプルが実行可能です.

特に入力引数が必要ないサンプルプログラムであれば,F5キーで実行可能です.
画像などのインプットが必要なプログラムの場合には,当該プロジェクトを右クリックし,「プロパティ」⇒「構成プロパティ>デバッグ」の「コマンド引数」欄に画像ファイル名等を入力することで実行できます.それぞれのサンプルコードの中の解説を読んでみてください.

顔器官認識などでは学習済みデータが用意されているので,Webからダウンロードすることで使用できます (http://dlib.net/files/shape_predictor_68_face_landmarks.dat.bz2

また,「Webcam_face_pose_ex」というWebカメラで取得した動画中の顔をリアルタイムで検出するサンプルではOpenCVが必要なので,cmakeからOpenCVが自動で参照されない場合にはプロジェクトファイルが生成されません.OpenCVがない場合には導入すれば,後から手動でcmakeを使うことで実行できます.CMakeList.txtというcmakeに関するファイルを少しいじってあげる必要があります.


以上でdlibの導入のための解説を終わりにします.
もしも間違っている箇所があったらごめんなさい.








2016年3月9日水曜日

地球大洪水白書

 
僕の人生において、これがなかったらどうなっていたんだろうみたいなアルバムが何枚かあって、その一つ、APRICOTというインディーズバンドの「地球大洪水白書」というアルバムの話。
 
このアルバム、出たのは2007年だったと思うんですが、お店で流通はしなかったんです。
だから僕は当時、バンドのホームページから注文して、メンバーから直接送ってもらうという形で手に入れたんです。
 
 
このアルバム、全編にわたってありえないほど音が悪いんですけど、収録されている曲がことごとく名曲で、最初はなんか聴きづらいなぁとか思いながらも何度も聞いてるうちに引き込まれていって、今では人生における名盤の一つです。
 
 
APRICOTは中学生の頃、偶然手にしたオムニバスアルバムに参加してて、涙星って曲だったんですけど、ものすごく良い曲だったからその後もすごく気にしてたんです。でもいっこうにデビューはしなくて笑
なんだったんだろうか、、とにかく良い曲ばっかり作る最高なバンドだったんです。
 
 
 
地球大洪水白書に収録されている曲で特に大好きなのが「真夜中スプラッシュ」という曲。

銀杏BOYZみたいで、当時そういうバンドはいっぱいいたんですけど、もはや銀杏BOYZみたいとか言ってられないほど名曲なんですよね。
大学生になって一人暮らしを初めたばかりの頃、夜中にひたすらこの曲を聴いてくすぶってました笑
 
 
あとは「新・東京トキワ荘物語」という曲。
手塚治虫とか赤塚不二夫とかが歌詞に出てきて、鉄腕アトムのテーマをモチーフにしたりしてるんですけど、サビの、
 
漫画だけの夜
漫画だけの歌
漫画だけの恋
僕たちはそこにいた
 
誰かに流されて
何かに縛られて
大口を叩いて死んでいくのはごめんだ
 
 
って歌詞が当時衝撃的で、今も大好きです。真夜中スプラッシュもそうなんだけど、曲の勢いが半端なくて、熱くなってきます。
 
 
 

それから表題曲の「地球大洪水白書」。
 
死ぬほど好きな人がいて
死ぬほど好きな人にも死ぬほど好きな人がいるよ
これをなんの法則と名付けよう
 
素晴らしい日々をマイケル・ジャクソンみたいに顔色を変えながら
素晴らしい日々をムーンウォークしながら探しに行こうぜ
 
って歌詞が本当に好き。
 
 
ここに挙げた三曲は大好きすぎて、自分でもコピーしてライヴでやったりしました。
コピーって普通お客さんが知ってる曲をやるところだけど、あまりに名曲だからみんなに教えたいなぁという気持ちで演奏してました。
当時APRICOTが好きすぎて、ライヴだけでしか披露されていない新曲を記憶しておいて、音源が出る前にうろ覚えでコピーしたりしてました笑
 
 
 
地球大洪水白書の曲以外にも名曲はいっぱいあって、
「エンドロール」とか「世界制服」とか、というか全部名曲です。この二曲もコピーしました笑
  
 
残念なのは、YouTubeとか配信サイトとか、どこを探したってこの名曲たちが聴けないこと。レコード屋さんにももう売ってないです。
僕は持ってるので貸してほしい人がいたら声かけてください笑
ただ、地球大洪水白書は当時友達に貸したっきり返ってきませんでした。残念。
  
 
APRICOTは残念ながら2010年に解散しちゃったんですけど、今も主要メンバーたちはバロンドールってバンドをやってます。
ちょっと音楽性は変わったんだけどそっちもいいバンドです。世界制服って曲はバロンドールの方でもリメイクされてます。
 
 
アプリコットっていう最高のバンドがいたことを話せる人なんて日本にそう何人もいないだろうけど、もし知ってる人がいたら一緒にお酒でも飲みながら語りたいところです。
 
最近趣味の話全開ですね、まぁ、好き勝手更新していきます!
 
 

2016年3月8日火曜日

高田のばばあ


ひらです!


こんばんは(';')




シアトルにPike place marketという素敵な市場があるんです。2014年にインターンに行ってた時に何度か行ってたんですけど、そのPike placeの近くBreweryで醸造してるPike beerというビールが本当に好きで、日本に帰ってきてからもどうにか飲めないかなと探してたんですが、通販でも買えないし、詰んでたんです。
でも世界のビール博物館っていうソラマチとかにあるお店で飲めるって情報を仕入れてわざわざビール二杯分のお金を払ってソラマチまで行ったんですよ。
そのお店の系列店が最近増えだしてて、新宿に系列のタップハウスがオープンしたのを皮切りに、最近秋葉原にもオープンしたとかで、飲めなかったはずのビールがけっこう飲めるようになってきて幸せです。

Pikeのビールで僕がおすすめなのはKilt lifterという種類です。でもこれはなかなか飲めなくて、たまに入荷してます。レギュラーはPike IPAとPike Stoutという二種類です。どちらもおいしいです。
それから限定でSpace needle golden IPAとか、シアトルに住んでたことある人だったら名前だけでつまみが進むような種類のやつも運が良ければ飲めます。他にもSummer IPAみたいなのもあった気がします。
シアトルを思い出したい人にはオススメです。僕もこの記事を書いていてすごく飲みたくなりました。







2016年3月7日月曜日

僕の好きなもの


こんばんは。
今日は趣味の話。


4月に僕の大好きなバンド、相対性理論が新しいアルバムを出すんです。それが楽しみで楽しみで。相対性理論は、旧メンバーが作ってた曲が本当に良くて、大好きなんですけど、現メンバーだけでもめっちゃいいんですよね。ビートルズからポール・マッカトニーが抜けたけどまだジョン・レノンがいて名曲出し続けてるような感じ。

新作には吉祥寺バウスシアターで録った曲も入ってるとか。
バウスシアターが閉館する寸前に映画見に行ったからすごく思い入れがあります。まだ聞いてもいないのに。

それから7月には武道館でライブをやるとか。
相対性理論はそんなにライブやらないし大きいハコでもやらないので、武道館ならチケット取りやすそうだし、なんといっても武道館だし。絶対行きたい。


最近あんまり追い込まれた生活をしていないので、ゆとりをもって色々インプットも増やしてるんです。特にレンタルショップで漫画をまとめて借りて音楽をかけながら夜通し読むのが最高で。

僕の二大好きな漫画家は、古谷実と浅野いにおと浦沢直樹なんです。あまりに好きすぎて三人になってしまいました。
古谷実は最近少し飽きてきたところもあるんですけどね。

浅野いにおはおやすみプンプンに衝撃を受けすぎて、出会う時期がもっと思春期だったら人生変えられちゃってたんじゃないかとひやひやするくらい好きです。
そのいにおさんの最近の連載、デデデデデデデデデみたいなやつ。それを最近レンタルして読み始めたんですけど、久しぶりに衝撃的に好きな漫画でした。最高すぎる。



こんな趣味の話を書いてどうしたんだって思われるかもしれないんですが、最近思うところがありまして。大学時代、あまりに趣味が合う人がいなさすぎて、東京なのにみんな全然知らないんだなんてふてくされてたんですよ。それでいつのまにか趣味の話はあんまり自分からしなくなって、話すときもなるべく有名なところを挙げたりしてたんですね。音楽だったらくるりとか、古谷実だったら稲中とか。
でも最近趣味の話をすることの楽しさを思い出して、やっぱ自分からどんどん話していこうと思ったわけです。そしたらもしかしたら知ってる人がいるかもしれないし。もう学生じゃないし、社会人になったら学校とかそういうのとは違うので、好きなものにもっと正直な生き方に切り替えていこうかなと思います。


ホントは博士課程の就活の話をそろそろ書こうかと考えているんですが、僕の人事関連の話がなかなかしづらいので4月以降ですかね。ただ、今D2の人はもう就活を始めた方がいいとは思います。就活ってスーツきて説明会に行ったり面接したりってだけじゃないですからね。

おやすみプンプン。

2016年3月2日水曜日

技術の発展と便利な世の中


どうも、こんばんは。
ひらくりっどです。


みなさん、確定申告しましたか?
僕は今年度は学振の給料のみでせっせとやってたので年末調整だけで済みました。
楽だったけど、給料的には辛かったです。27歳で年収240万(諸々込み)って社会的に見ても低い方ですからね。でもお金の心配もなく研究できてただけ恵まれていました。文句はないです。


昨日ルンバの記事を更新しましたけど、技術の進歩によって世の中はどんどん便利になってますよね。
今まで掃除をするのに1時間かけてたとしたら、ルンバによってそれが5分(人間が働く時間)になって、我々人間は55分の自由時間を手に入れられるわけで、その間寝ててもいいし、洗濯してもいいし、仕事してもいいし。

洗濯だって全自動ですよ。(僕的には自動で干すとこまでやってくれる機械が出てくれないかなって思ってるところですけどね。)
空いた時間で洗濯したと思ったら、その洗濯でさえ短時間で終わっちゃうんです。桃太郎のおばあちゃん(?)だったらわざわざ川まで行って、さらに一枚一枚手でごしごし洗ってましたからね。しかも洗剤だってなかったわけでしょ、もう大変ですよ。

つまり我々の生活は便利になったというわけです。
超便利、人々の幸福度はかつてないほど上がったと言えるんでしょうね。
本当にそうでしょうか?

テクノロジーの進歩にはいい面と悪い面があります。
ただ便利になることが圧倒的に正義なわけじゃないです。



その代表例がアナログの温かみみたいなもの。

MP3のデータでデジタルプレーヤから出る音とアナログレコードが回転しながら針から鳴る音は温かみが違いますよね。僕的にはこれが一番わかりやすい例です。
デジタル音声で、アナログで出す音を限りなく再現することはできますし、音場再現なんてしたら人間の耳は聞き分けられないんですけど、でも温かみっていうのは確かにあると僕は思ってます。僕も音の研究者の端くれですが、アナログの温かみは大好きです。

ブルーハーツが歌う「写真には写らない美しさ」とかね、そういうのありますよね。
どんなに不便でも生で見たり生で聞いたりした方が感動することがあるじゃないですか。
観光地をVRセットで再現したって、その場に行くことには勝らないなって(今のところは)思うんですよね。コンテクストの問題もあるんですけどね。


テクノロジーが発展していくことで僕たちは幸せになっているのでしょうか?
かつてないほどに幸せな人生を生きてるんでしょうかね。
便利においしいお店を探して限られた昼休みに食べたり、目的地に行くための乗り換えなんかも最適なルートで行けたり、QoLというか、体験(Experience)は向上してると感じます。
一方で、SNSの中でコミュニケーションを取るのは息苦しい時があるし、LINEの既読がどうのとかすごく面倒だし、インターネットから解放されたいなとか思う時もたまにあります。

特に日本の話ですが、今消費税が8%にまで上がって、消費税がなかった時代には50000円で変えたものが54000円ですよ。こないだ50000円のものを買ったときに4000円も税金払ってるのかって思ってちょっとへこみました。社会保障だってきつきつで、年金なんて本当にもらえるのかって半信半疑ですよね。なんとなくですが、生活は厳しくなっているような印象を受けます。給料は上がらないのに缶ジュースの値段は10円20円と上がっているわけですから。

本当だったら我々はどんどん不幸になっていってたんじゃないかなって思います。
でもテクノロジーがそれをうまいこと補ってくれてるんだと感じてます。例えば、ジュースの値段が上がっても、僕らはネットを使って安く買える店を調べたりできるし、流通させる側は色々と最適化させてジュースを売るのにかかるコストを削減させられるわけです。
テクノロジーがなければ世の中は本当は詰んでたのかもしれないです。
それくらい科学技術って重要な存在なんです。
不幸度が増していってる分、技術による便利さも同時に増していってることで、僕らの生活は変わらず幸福にやってこれてるんだと思います。


ということを考えながら研究者の端くれとして技術の進歩に貢献しようと日々生きてるんですけど、僕はさっき言ったように、アナログの温かみみたいなのを信じてるところもありまして。

データとかURLを送って曲を共有するなんてことよりも、自分で作ったミックスCDを渡して聴いてもらいたいし、通販で物を買うことも多いけど、お店に行って売る人の言葉を聞きながら買い物するのも好きだし、本屋さんでは目当ての本以外の本を手に取ったりしてだらだら眺めてるのが好きだし。アナログへの回帰ってのはアーティストがよくやっているけど、技術者もそういう観点で技術を進歩させるのが温かくていいなって考えてます。
便利さの追求だけじゃない別のベクトルを持って、それを強みにできるような研究者を目指している、という話です。

まぁだからって、温かみがあるからって、満員電車で新聞読めとか言わないし、スマホで新聞とか漫画とか読める方が圧倒的に便利だし、やっぱり技術の進歩は最高なんです。技術が進歩しているに越したことはない。技術の進歩は技術の進歩で、選択をするのは人間なので、選択肢が増えて僕らの生き方の幅が広がるだけなんです。
自分のスタイルを持つのが重要。
そう、それは研究でも一緒。早く僕だけのスタイルを確立したいなぁという話です。
博論で少しはそれに近いことできたかなって思ってるんですけどやっぱりまだまだです。


4月から独立した研究者としてやっていく予定なので、なるべく早く僕のブランドみたいなのを確立したいなぁって思ってるところなんです。
本当は博士課程の間に名刺代わりになる大きな仕事をしたかったんですけどね(';')

世の中に対してだらだらと書いた文章かと思いきや、これは僕自身に対して自分で言い聞かせる文章でした笑
今後も色々悩みながらやっていきます。


おやすみなさい。




新しい同居人


こんばんは、ひらくりです。

今日、我が新居に新しい同居人がやってきました。
アメリカ生まれでちょっと丸っこい感じの愛嬌があるやつです。



紹介します、ルンバです。





ネットではルンバたんとか呼ばれてたり、けっこう愛されてるタイプの家電ですよね。
ルンバは自動で部屋を掃除してくれるわけだから、それなりに部屋が広くないと意味がないわけで、博士課程の学生だった僕には縁がないかなと思ってたんですけどね。この度PDに昇進したし、前より断然広い部屋に引っ越したことを記念しまして、ルンバを買いました、もとい、飼いました。

佐川急便の人に届けられてやってきたルンバは、箱を開けて真ん中のボタンを押したらすぐに僕の部屋を動き出しました。いきなり好き勝手動き出して、もうそのお茶目さにすぐに感情移入ができました。

引っ越してからまだまともに掃除できてなかったのでけっこう部屋が汚れてたんで、ルンバの力はどんなものかと思いながら見てましたが、全然飽きないんです。
実際どれくらいゴミを吸うか見てみたんですけど、そこまで吸引力は強くないなぁという印象を受けました。でも同じところを何度もくるくるしてくれるからだいたいのゴミは吸われました。これを二、三日に一回くらいやってれば部屋が清潔なまま保たれるのかなと思います。


このルンバの一番のポイントは、そもそも部屋が汚いとルンバが動けなくて全然掃除できないこと。つまりルンバが動けなくなる原因となるような大きな物とかは人間側が片づけておかないといけないわけですね。それがまたいいんですよね。部屋の左半分の片づけをして、片付いたところをルンバに掃除してもらって、その間に僕が右半分を片づけて、終わったらルンバにまたそっちを掃除してもらう。まさに人とロボットとの共同作業です。

人とコンピュータによる協調的な創作について研究している僕は、このルンバとの共同作業みたいなのが大好きで、本当にただの家電とは思えないくらいに気に入りました。
一通り掃除が終わるとルンバ自身にも埃がついてしまうので、今度は雑巾でルンバを丁寧に拭いてあげるんですね。もはやそれはペットをお風呂に入れてあげてるかのような感覚です。

ルンバって割とドジっ子で、玄関の段差みたいなちょっとした段差からガタって落ちたりしちゃうんですね。だからそういうルンバが苦手な場所を掃除してるときは、ついつい飼い主も目が離せなくなって、頑張れって応援しちゃうんですよね。そんな目が離せないくらいだったら吸引力が変わらないダイソンでキューーって掃除しちゃった方が圧倒的に早いんですけど、もはや掃除は二の次で、僕が見たいのはルンバが頑張って苦手な場所を掃除するところなんです。

あとね、玄関マットを掃除するとき、ルンバはいつもマットをめくっちゃって、うまくいかないんですよ。それがね、何度も何度もやってたら、マットをめくらないできちんと掃除できたんです。そのときはまさに100メートル徒競走で息子が一等賞を取ったときのような気分になりました。息子はいないんですけどね。

それから、コード類があるとルンバは勝手に絡まりに行っちゃうんですよ。絡まるとなかなか抜けられなくて、ついつい飼い主が助けてあげちゃうんですよね。それもまたいいです。まだまだ独り立ちできないダメな息子みたいな感じがして趣があるんです。手がかかって、たまに面倒だなと思いながらもなんだかんだ助けてしまうやつ。もはやロボットを超えた大切な存在です。
アイボをすごく大事にしてた飼い主の話とかありますけど、ルンバももはやそういう域に達してるんじゃないかと思います。

僕が一番感動したのは、電池がなくなってきて、吸引力が衰えてきたとき。
ランプを点滅させながらのろのろと電源スタンドに向けて進んでいくんです。疲れたルンバがスタンドにドッキングしたときはもう興奮でした。幼馴染の友達が飼っていた犬が、飼い主の「ハウス!」の指示で檻に走っていったときくらい感激しました。


そんなわけで、時代は変わっていきますね。
自動運転車とか、様々なオートメーション、我々の生活に密接な存在となってきたIoTデバイスなどなど。便利な世の中になりました。
ただただ便利になるだけではやはり人とロボットの間の距離はなかなか縮まらないんじゃないかと思います。人とロボットが歩み寄っていく過渡期のようなものを超えて行ったその先に新たな時代が待っているのです。ルンバはまさにそんな存在だと思いました。
ロボットに対してここまで感情を抱いたことは今までなかったです。今後ルンバがより人間らしくなっていったり、ロボットとしての完成度が高くなっていったとしても、今のルンバを経験してる僕はどんどん馴染んでいけるんじゃないかと思ってます。そういう意味では、自動掃除機が便利だからどうとか、そういう表層的なことじゃなくて、本当に人とロボットのインタラクションを身近に経験するためのいい機会として、ルンバの導入は本当にオススメです。(もちろん僕はiRobotの回し者ではないですよ)


未来が本当に楽しみになってきますよね。


2016年2月27日土曜日

日本の博士課程学生の待遇について


おはようございます、今日はちょっと真面目な記事を更新します。

過去に博士課程の学生の収入源についての記事を書いて、このブログ始まって以来の人気記事となっているんですが、今回はその続きというか、まぁそんな感じの記事です。


日本の科学技術の未来を担う博士課程の学生を取り巻く環境、特に待遇について。
ご存じのとおり、アメリカの博士課程の学生に対する待遇って恵まれてて、ラボのボスに直接給料を出してもらって、高給なインターンへの参加も比較的容易で。。(雇われてる分、やりたくない仕事を振られたりすることがあるみたいですけど)

それにひきかえ日本の博士学生は学振を取る以外に生きていく術はあんまりなくて(あるにはあるけど状態)、うまくいかないと奨学金で莫大な借金を背負ったりしなければいけないわけです。

3年間奨学金を借り続けると相当な額の借金を持ったまま社会に放たれるし、かといって日本では博士卒の学生が優遇されるような現状ではないし。アメリカなら博士学位を持っていることが大きなステータスで、特にIT系の企業では高給を取るための条件の一つで、社会に出るのが遅れて不利になるとかそういうことはないんです(そこまで詳しいわけではないですが、僕の周りの人たちはそんなイメージ)。

研究って必ずうまくいくものではなくて、思うような結果が出なくて半年や一年を無駄にしてしまうようなことはざらにあります。特に研究を始めてすぐの右も左もわからないような時期にはなおさらです。テーマ選び(もしくは与えられたテーマ)しだいで、通せる学会のレベルは大きく変わります。最初からうまくいけばいいです、そうしたら学振に通ったり、インターンに行くチャンスをつかんだりできるから。でもそうじゃない学生は、いかに優秀であっても、博士在学中に研究に専念できるだけの援助が保証されないわけです。そしたら修士を卒業して給料がたくさんもらえる企業に就職するのが一番手堅い道ですよね。最近学位を取り終わって振り返ってみると博士課程の学生の命運はけっこう初期に分かれるものだなって思ってます。

じゃあ学振を取れば天国かっていうと、なんというか、そこにも疑問が一つあります。
学振の研究員は直接雇用されてるわけではないので、研究奨励金は給与所得ではありながらも明確には給料という立ち位置ではないし、雇用ではないので社会保険もないし各種手当てやボーナスなんてないんです。一律20万円という金額は、まぁ問題ないんですが、例えば実家暮らしの学生と一人暮らしの学生では全然生きてくための難易度は違いますし、都市部か地方かでもだいぶ変わりますよね。
地方実家暮らしで20万円だったら毎月貯金もできるだろうしそれなりに自由なお金もあると思いますけど、僕みたいに東京で一人暮らしをしてたら本当にかつかつです。僕はインターンや未踏などもあったからなんとか生きていけたなって思ってます。

僕はまぁいいんですけど、僕よりも超優秀な人たちがいっぱいいるんです。そんな人たちも同じくかつかつに生きてるのを見るとなんか報われないなぁと感じてしまいます。まず学振を取れるか取れないかのふるい分けがあって、うまく残れたらみんなこの給料でっていうのもなんだかなって。優秀な人はもっともらえたり、生活コストに応じて手当てがあったりしたらいいのにっていうのが僕の思ったところです。まぁそんなことをしたら、制度が複雑になってしまうし、いろんな分野がある中で業績の扱い方とかを公平にするのはあまりにも困難なのもわかってるんですけど、どうにかならないもんですかね。

最初の学振のふるい分けに落ちた人の中にすごく優秀な人がいたとして、そういう人たちが博士に進みづらい現状は問題だなって思いながらも、学振のチャンスはその次の年もあるにも拘わらず1回落ちたからって博士に進まない人はその先のもっと厳しい生存競争には向かないだろうなとも思います。

すごくシンプルには「博士=優秀な人材、企業が欲しがる人材」という意識が浸透して、博士卒の学生が将来に対して抱いてる不安を和らげるべきだと思うんです。それが実現していないのは問題ですが。
博士課程に進んで社会に出るのが3年遅れても、それを取り返せるぐらいの待遇が待っていれば、優秀な修士卒が博士に進むことが増えるのかなと思います。
僕が観測してる限りの現状では、博士課程に進むのは、研究に対する熱い意思を持った人(待遇悪くても研究ができるならって思える人)、ちゃんと将来を考えてないけどまだ学生を続けたいって思ってる人くらいです。博士の待遇が良くなって、研究に真摯に取り組む学生が増えて、就職口も増えて、博士学生全体のベースアップが実現すれば、日本の科学技術の将来はもっと明るくなるんじゃないかな。
正直今の同年代の博士課程の学生たちで飲んだりしてると、明るい将来の話をする人は全然いないです。なんか報われないですよね。


じゃあ海外に出ていけばいいじゃないかって話もありますけど、実際海外に出ていく人は多いですよ。例えばアメリカのIT系は給料が桁違いだし、海外にいたほうが幸せな人生を過ごせる人たちはけっこういるんじゃないですかね。
僕はなんだかんだ言って日本が好きで、給料の高さとかを考えても日本でそれなりに給料をもらえる職に就く方が魅力的に感じてるので日本にいますが、これは人それぞれであって、日本と海外の待遇の格差が広がれば広がるほど人材は海外に流出していきます。(海外で通用しない日本人が多いという説もあります笑)
某大学の教授が、日本はもう沈みゆく国であってそんな中での唯一の希望が大学院生などの若い研究者たちだって仰ってました。若い研究者が職を見つけずらいのは、少子化が進みながらも教員や研究職のポストは全然空かないからって理由もはっきりしてますよね。
若い研究者がもっと夢を見れるように待遇が改善されていってくれればなって思います。日本という国は科学技術を捨てちゃいけないんですよ。少子高齢社会で社会保障とか年金制度なんかもどんどん苦しくなっていくだろうけど、研究費を削らないで、特に若い人たちを何とか後押ししてほしいです。

僕はなんとか就職先を見つけられたので、自分のことを助けてほしいからこういう記事を書いたわけでもなくて、こういう現状が続いてたら未来は暗いなと危惧しているから、次の世代のためにも今日は真面目に書きました。あんまり考えがまとまっていないところもあるのでちょっと読みづらい所もあったと思います。すみません。


以上です。おやすみなさい。